●女性ダンサーのために


ストリートダンサーたちのサポートを始めて何年も経ち、

いろんな練習場やスタジオ、イベントなどに同行させてもらいました。

 

現場で見るのがリアルな声を聞けるし、その状況を感じ取れます。

治療をするのに一番重要な情報となるのは間違いありません。

 

その様な活動も長く続けていると、

しっかり全身を診て欲しいとの要望で、

治療院の方にも来てくれるダンサーが増えました。

 

初めはブレイキンをやるダンサーが多かったのですが、

徐々に他のジャンルのダンサーも増え始めました。

 

さらに最近では、女性のダンサーも増え始めました。

 

ロッキン、ポッピン、ハウス、ジャズ、ヒップホップ、

ソウル、アフリカン、などなど・・・。

 

そんな中で、最近気が付いたことがあります。

 

“女性のストリートダンサーは上半身の故障が多い”と言うことです。

 

・背中が痛い。

・首が痛い。

・肩の周りが痛い。

 

また、腰や膝などが痛いと言っていたダンサーもよく話を聞くと

 

・首のアイソレがいまいち。

・背中や肩甲骨の周りが硬い、痛い。

 

などの症状もあることが分かります。

 

あるヒップホップの女性ダンサーは、背中と腰に痛みがあり、

骨盤を診るとナチュラルな形ではなくなっていたのです。

 

ここで思い出したのが、ダンスバトルのイベントに帯同した時、

ショーケースに出場する高校生女子ダンサーたちの

体を診た時のことです。

 

腰や股関節が痛いと言っていた彼女たちは、

治療院で診た多くの女性ダンサーと同じ様な骨盤になっていたのです。

 

どの様な骨盤の状態かと言うと、

 

「女性の本来の骨盤の形ではなく、男性の形に近くなっていた」

 

と言う事です。

 

本来女性の骨盤は、上が狭く、下が広い、

女性特有のやわらかな腰のラインを描く形になっています。

 

しかし、それは両脚の付け根である股関節が

広く開いていることを意味します。


脚の付け根が、左右に離れてついているので、

ストリートダンスによくある足を開いた低い体勢の時に、

重心が下に落ちやすいのです。

 

反対に、男性の骨盤は股関節の間がせまいので、

左右の脚の付け根が中心、つまりセンターライン、

中心軸に近いので女性よりパワフルに動きやすいはずです。

 

治療に来てくれた女性ダンサーが、


「低い態勢になった時に力が下に逃げて、抜けてしまうので、

その分、上半身で引き上げる様に力が入っているかもしれない。」


と話してくれました。

 

上半身に疲労が蓄積し、背骨がねじれのゆがみ癖がついてしまうのも

その為であると考えられます。

 

上半身の治療と共に、男性の形に近くなってしまった骨盤も

当然調整していくのですが、上半身で無理に引っ張り上げる”

と言う動作を改善させることもしないと、根本的な解決はできない様です。

 

そこで、実際に低い態勢から上に上がる動作を、

もっと楽にできる工夫をする、突き詰めると、

 

「股関節の動きをよくする。」

 

と言う作業が有効であると考えられます。

 

低い態勢から、上半身の力で引っ張り上げるのではなく、

股関節の重心移動、たとえば左から右にゆっくり、

正確に行うことや、骨盤をしっかり立てて行うことなどを体感すると良いのでしょう。

 

実際に足を大きく開いて立って膝は伸ばした状態で、

股関節の左右の重心移動だけをやってもらうと、

ほとんどの女性ダンサーたちが、内股の筋が引き伸ばされて痛いと言うことでした。

 

開脚などはできるけど、何気ない動作で内股がつっぱって痛いのは、


インナーマッスルにダイレクトに効かせるストレッチには

なっていなかった事を意味します。

脱力して、骨だけで動くイメージでやってもらうと、

必ずインナーマッスル主動の動きになります。

 

するとインナーマッスルは的確にストレッチされ、

骨だけで動く、楽な重心移動(左右、上下)が感じられるはずです。

 

独特の動きのあるストリートダンスでは、

特に女性の場合この様な調整が必要になってくると思われます。

 

また、骨盤と言えば婦人科にもっとも関連あるパーツでもあります。

成長期にあっては特に注意が必要かと感じます。

 

現在も高校などにストリートダンスの部活が多く見られますが、

義務教育にストリートダンスが取り入れられていく様になり、

さらにダンス人口が増えるでしょう。

 

ヘルニアや腰椎すべり症などは、10代の子供でも起こる症状です。


この女性のストリートダンサーに共通すると思われる症状を、

なってから治療するだけではなく、以下に予防するか、

その為のエクササイズや体の操作、姿勢のコツなどを覚えて頂ける様、

アドバイスさせて頂いてます。