●東洋医学とは?

 

東洋医学の醍醐味は、原因がよく分からず、治りにくい症状を治すことができたり、

妊婦さんなどの、現代医学ではあまり手の施しようのない方に対しても、

多彩な治療が可能なことです。(具体的な治療例は、「症状について」をご覧下さい。)

 

そのような細やかな治療ができるのは、東洋医学に伝わる独特の診断法によって、

その方の体質や、症状の細やかな区別ができるからです。


それによって、鍼の本数や太さ、お灸の種類や数、指圧やマッサージの強さ、

そしてどのツボを使うかなどを判断するのです。

●脈診って何?

韓国ドラマ 「チャングム」より

流産した皇后はその後回復せず、治療の効果もでていません。

脈診したチャングムとシンビは担当医女ヨリの診断に、今ひとつ納得できないでいました。

しかし、ヨリは脈診に秀でた人物で周囲からも信頼されている医女。


そのヨリの脈診から「後陣痛」と診断、鍼灸治療をしますが、

皇后の容態はさらに悪化してしまいます。


シンビはシン・イクピルに、チャングムがヨリとは別の脈診判断であることを打ち明け、

シン教授は皆の前でチャングムの見解を聞くことに。


チャングムは皇后の脈を診て、まだ子宮に残っているものがある、

つまり後産で出るべきものが出ていないと、ヨリとはまったく逆の診断を下し、

その後チャングムのとおりに鍼治療をし、「佛手散」と言う漢方薬を処方すると、

無事後産がうまくいき、皇后は回復されたのです。


チャングムが使った脈診で、なぜこの様なことが分かるのでしょうか?

 

東洋医学では、上の図の様に、脈を3つのパーツに分けて診ます。

人差し指、中指、薬指の三本指を手首の動脈に当てて、脈の3つの部分を感じ取ります。


一番手首に近い人差し指を当てて診る部分は、

みぞおちから上、つまり「胸」の状態を表します。

主に「心臓や肺」に関連します。


真ん中にある中指を当てて診る部分は、

「みぞおちからおへそ」の高さまでの内臓の状態を表します。

「胃、脾臓、膵臓、肝臓、胆のう、十二指腸」に関連します。


手首からもっとも離れた薬指を当てて診る部分は、

「おへそから下」、骨盤の中におさまった臓器の状態を表します。

「膀胱、大腸、腎臓(※)、子宮」に関連します。


実際の腎臓の位置はもう少し高いところにありますが、

主に足腰や泌尿器・生殖器に関係する性質から、

下の方に関係が深いと考えられています。


つまり“胴体を3つのパーツに分けて考えている”訳です。


上のパーツは気血を巡らし、

真ん中のパーツは消化してエネルギーを作り、

下のパーツは排泄と生殖機能を担当しています。


また脈の全体の状態が

・浮いているか、沈んでいるか

(さわってすぐ分かる、ぎゅっと握らないと分からない)

・遅いか速いか

・強いか弱いか

などを診て、総合的に判断します。


チャングムはこの脈診で、脈全体の状態と、

図③の部分「おへそから下の臓器」、つまり子宮の状態を

表す部位の脈を診て判断したのです。


チャングムは皇后の脈を「散脈」と診断しました。

大きく浮いてちょっと握ってだけで、力なくつぶれてしまう様な脈。


この様な脈の時は、体の内部にも生命力がない弱った状態で、

大量の出血があった時や、内臓の中で出血があったり、

極度の疲労状態(ひどい貧血の様なイメージ)の時に現れると言われています。


これは早急に「気血」を増やしてあげなければなりませんので、

処方された漢方も「佛手散」と言う「当帰」(増血作用のある代表的な生薬)と、

「センキュウ(川+草カンムリに弓)」(血行を良くして痛みを止める代表的な生薬)

の2つの生薬が主な内容の漢方を処方しました。


皇后の歯茎や鼻の穴の内部からも出血しやすいサインを見付けたことと、

出産後で出血したこと、また一人の子が外に出た後でも苦しんでいたことなどから、

チャングムはまだ子宮内での出血が続いているのか、

ひどい痛みをもたらす何か(※)が残っているのではと考えたのでしょう。